トップ リスティング広告のマッチタイプ「3つの使い分け」と予算を守る防御策

リスティング広告のマッチタイプ「3つの使い分け」と予算を守る防御策

2025年最新、リスティング広告のマッチタイプ完全攻略ガイド。

インテントマッチ(部分一致)全盛の今、AIの暴走を防ぎ予算を守る「除外キーワードの鉄則」や「優先順位のルール」を解説します。

成果を最大化する「完全一致×インテントマッチ」のハイブリッド構成など、現場ですぐ使える実践ノウハウを公開。

はじめに

2025年現在、リスティング広告におけるマッチタイプは、単なる「キーワードの一致ルール」から「ユーザーの意図(インテント)を解釈するAIへの指示書」へと進化しました。

特に重要な変化は、Yahoo!広告が2024年7月に「部分一致」の名称を「インテントマッチ」へ変更したこと、そしてGoogle広告もAI技術の発展が進むにつれてインテント重視へシフトしている点です。

リスティング広告を出稿する上で大事な設定項目であるマッチタイプについて、運用者目線でお話します。

【図解】3つのマッチタイプと役割

まずは、現在利用可能な3つのマッチタイプの違いを整理します。
AI全盛の今、それぞれの役割が大きく変化しています。

マッチタイプ記号定義(2025年版)AI時代の役割
(攻め vs 守り)
完全一致
(Exact Match)
[ ]キーワードと同じ意味・意図を持つ検索語句に表示。
※語順違いや類義語も含む。
【特定の確保】
指名検索や、コンバージョン率が極めて高い「鉄板ワード」を確実に拾うための指定席。
フレーズ一致
(Phrase Match)
” “キーワードの意味を含み、文脈が適合する場合に表示。
※文言が挟まっても意味が通じれば出る。
【文脈の防衛】
「〜とは」や「〜の作り方」など、意図がズレやすいクエリを除外したまま、ある程度のリーチを保つ防波堤。
インテントマッチ
(Intent Match)
旧:部分一致
なしキーワードに関連し、ユーザーの検索意図(Interest/Intent)が合致するとAIが判断した場合に表示。【AIへの投資】
「ユーザーの過去の行動」や「LPの中身」などのシグナルを活用し、人間が思いつかない”お宝クエリ”を発掘する主役。

【防御策①】「優先順位」のルールを知れば、無駄打ちは減る

複数のマッチタイプを登録していると、「どのキーワードで反応するか分からない」という不安が生まれます。
しかし、Google広告には明確な「優先順位のルール」が存在します。これを知っているだけで、リスク管理が劇的に楽になります。

★鉄則:完全一致が最優先される

例えば、以下の2つを登録していたとします。

  • 完全一致:[メンズ スニーカー]
  • インテントマッチ:メンズ スニーカー

ユーザーが「メンズ スニーカー」と検索した場合、必ず「完全一致」が優先して反応します。

ポイント

  • 「インテントマッチを入れると、高いクリック単価(CPC)で入札されてしまうのでは?」と心配な方は、「安く買いたいキーワード」を全て完全一致で登録してください。

そうすれば、分かっているキーワードは完全一致側(安いCPC)で拾い、そこで拾えない未知のクエリだけをインテントマッチに任せるという、無駄のない住み分けが可能になります。


【防御策②】予算を守る最大の鍵は「除外キーワード」にあり

マッチタイプを語る上で、絶対に外せない「4つ目のマッチタイプ」があります。
それが「除外キーワード(ネガティブキーワード)」です。

今の広告運用において、「何に出すか(インテントマッチ)」よりも「何に出さないか(除外)」のほうが、予算へのインパクトは甚大です。

ポイント

  • アクセル:インテントマッチ
  • ブレーキ:除外キーワード

この2つはセットです。ブレーキのない車に乗ってはいけません。
特にインテントマッチを導入する際は、事前に「除外キーワードリスト(求人、競合、~~とは系)」を作成し、キャンペーンに適用しておくことがCPA高騰を防ぐ唯一の手段です。

※注意:除外キーワードのマッチタイプは「インテントマッチ」にしないこと
ここが多くの運用者がやりがちなミスです。

除外の設定をインテントマッチにしてしまうと、意図せず必要なクエリまでブロックしてしまったり、逆に語順が変わると除外されなかったりと、制御が難しくなるためです。

なので確実にブレーキをかけるため、除外キーワードは「フレーズ一致(” “)」または「完全一致([ ])」で登録するのが鉄則です


【実践】失敗しない「ハイブリッド構成」の作り方

では、具体的にどう組み合わせればいいのか。
現在、最もリスクが低く、かつ成果が出やすい推奨構成を紹介します。

推奨:インテントマッチメイン + 完全一致補完型

  • ベースは「インテントマッチ」で作る

    自動入札(tCPAなど)と相性が良いのは、データ量が多いインテントマッチです。
    基本はこれで広く網を張ります。

  • 指名、鉄板ワードだけ「完全一致」で切り出す

    社名や、過去にCV実績が多いキーワードだけを「完全一致」で登録し、入札を強めに設定して取りこぼしを防ぎます。

  • 「フレーズ一致」は無理に使わない

    以前は主役だったフレーズ一致ですが、現在は中途半端な立ち位置になりつつあります。

    「どうしてもこの単語が含まれていないと困る」という場合を除き、基本は「インテントマッチ」と「完全一致」の2極で管理するほうがAIの学習効率は上がります。

まとめ:「一致させる」時代から「意味を拾う」時代へ

2025年のマッチタイプ選びで重要な3点をまとめました。

ポイント

  • 「完全一致」で、確実な利益を守る(守り)。

  • 「インテントマッチ」で、新しい顧客を連れてくる(攻め)。

  • 「除外キーワード」で、無駄な出費をカットする(管理)。

キーワードに対して「どのマッチタイプが良いか?」ではなく「どう組み合わせるか?」が正解です。

恐れずに新しいマッチタイプを活用しつつ、除外設定というブレーキだけは、常に足元に用意しておきましょう。


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