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AI活用の重要性が高まる中、Google広告の「P-MAXキャンペーン」は多くの広告主から注目を集めています。
本記事では、P-MAXの基本的な仕組みから効果的な設定・運用のコツまでを、初心者にもわかりやすく解説し、成果を最大化するためのポイントを紹介します。
P-MAX(Performance Max)キャンペーンは、GoogleのAI技術を活用した次世代型の広告配信手法です。
最大の特徴は、Google広告のあらゆる配信面(検索、YouTube、ディスプレイ、Gmail、マップなど)を横断して、機械学習により自動で最適な広告配信を行う点にあります。
従来は配信面ごとに個別のキャンペーンを作成する必要がありましたが、P-MAXでは1つのキャンペーンで全ての配信面をカバーできます。

P-MAXを導入することで、このようなメリットが期待できます。
| メリットの カテゴリー | 詳細 |
| 費用対効果の最大化 | 機械学習がコンバージョンにつながりやすいオークションを自動で判別し、ROI向上を実現します。 限られた予算を最も効果的な配信に集中させることができます。 |
| リーチの拡大 | Google広告ネットワーク全体に自動で配信されるため、1つのキャンペーンで幅広いユーザーにリーチできます。 これまで見逃していた潜在顧客との接点が増え、獲得機会の拡大につながります。 |
| 作業効率の 改善 | 複数の配信面を一元管理できるため、キャンペーン設定や日々の運用にかかる工数を大幅に削減できます。 空いた時間を戦略立案など、より付加価値の高い業務に充てられます。 |
| AIと自動化の活用 | 消費者のトレンドや行動パターンの変化に、AIが自動で対応します。 実際に、P-MAXを導入した広告主は平均20%のコンバージョン増加を実現しています。 |
P-MAXキャンペーンは、主要なマーケティング目標に対応しています。
・オフライン セールス: 実店舗への来店促進
・オンライン セールス: ECサイトでの商品購入促進
・見込み顧客獲得: 資料請求やお問い合わせの獲得
P-MAXは、既存の検索広告を置き換えるものではなく、併用することで相乗効果を発揮します。
実際のデータでは、検索広告にP-MAXを追加することで、ROIを維持したまま平均18%のコンバージョン増加を達成しています。
また、同じ予算内であれば、P-MAX追加により18%以上のコンバージョン増加が見込めます。
P-MAXは検索キャンペーンの「補完役」として機能します。
キーワードターゲティングの穴を埋める
検索キャンペーンでは部分一致キーワードを使っても、すべての検索意図をカバーすることは困難です。
P-MAXは、広告主のウェブサイトやクリエイティブの内容から自動で関連性の高い検索クエリを判断し、検索キャンペーンで拾いきれなかった検索語句にも広告を配信します。
検索以外の接点を最大化
現代の消費者は、商品やサービスを知ってから購入に至るまで、複数の接点を経由します。
YouTubeで動画を見て興味を持ち、後日検索して購入するケースも珍しくありません。
P-MAXは検索面以外でもユーザーとの接点を作り、コンバージョンのきっかけを増やします。
P-MAXの検索カテゴリーと、従来の検索キャンペーンの検索カテゴリーでは、CV数が多い順でTop 10を比較すると明らかな差が出ることが確認されています。
P-MAXは、検索キャンペーンだけでは捉えきれない、独自のユーザー層やニーズにリーチしていることが分かります。
実際のデータをまとめました(金融業界)。
| P-MAXの検索カテゴリー例 | 検索キャンペーンの検索カテゴリー例 |
| 19歳 お金 借りる 即日 18歳 から 借り れる 金融 審査がどこも通らないが貸してくれるローン会社 外国人 留学生 お金 借りる 18歳 借金 どうしても 10 万円 必要 19歳 お金 借り たい 総量規制オーバーでも借りれたキャッシング キャッシング プラザ 審査 | どこも通らない 即日 融資 お金 借りれない 助けて キャッシング プラザ 今 すぐ お金 が 必要 お金 借りる 審査 通らない 借入 審査 通らない お金 借りる アプリ 今 すぐ 10 万 稼ぐ 方法 後払い アプリ |
このように、P-MAXは検索キャンペーンだけではリーチできない、独自のユーザー層を獲得していることがわかります。
P-MAXには、AIの学習を促進し、配信精度を高めるための機能が搭載されています。
検索テーマは、検索面での配信を強化するための機能です。
役割
AIは広告主のウェブサイトやクリエイティブから自動で関連性の高い検索語句を判断しますが、検索テーマを設定することで、広告主側からも「こういう検索語句で配信してほしい」という意図を伝えられます。
設定方法
アセットグループごとに最大50個の検索テーマを設定できます。
効果
関連性の高い検索語句での配信機会が増え、コンバージョン増加につながります。
設定のコツ
オーディエンスシグナルは、「こういう属性のユーザーがコンバージョンしやすい」という情報をAIに伝える機能です。
推奨設定
最も効果的なのは、以下の2種類のオーディエンスです。
これらは広告主独自の知見をAIに伝えられるため、ターゲティング精度の向上や学習期間の短縮に効果的です。
ユーザーを最適なランディングページへ自動で誘導する機能です。
| 項目 | URL拡張ON | URL拡張OFF |
| リンク先 | 設定したURLのドメイン全体が対象(除外設定可能) | 設定したURLのみ |
| 広告見出し/説明文 | 自動生成される | 設定したもののみ表示 |
| キーワード | 自動生成される | 自動生成される |
URL拡張をONにすることで、ユーザーの検索意図に最も合致するページへ誘導できるため、コンバージョン率の向上が期待できます。
P-MAX導入時の設定と、配信開始後の変更を最小限にするための推奨事項を紹介します。
キャンペーンで最大の成果を得るための推奨手法のことを「ベストプラクティス」と言います。
P-MAXを導入した際にはこれらの項目を徹底してみましょう。
| 項目 | 推奨される設定 |
| 検証期間 | 最低4週間は配信を継続。 既存の検索キャンペーンは停止せず、予算を追加する形で実施 |
| 目標設定 | 検索キャンペーンのテールワード(部分一致)の目標CPA・ROASを目安に設定 |
| アセット | テキスト・画像・動画すべてを設定。可能な限り上限数まで登録 |
| シグナル | 検索テーマ(必須)とオーディエンスシグナルを必ず追加 |
| 除外キーワード | 最小限にとどめる(過度な除外はAIの学習を妨げる) |
| 予算 | 日予算は検索キャンペーンのCPAの10倍、最低でも5倍以上を確保 |
| 配信開始後の変更 | 日予算や入札単価の変更は極力避ける(AIの学習がリセットされる) |
P-MAXのパフォーマンスは、クリエイティブの質に大きく左右されます。「広告の有効性」スコアを確認し、評価が低い場合はアセットを追加・改善しましょう。
推奨アセット数
| アセットの種類 | 最低限必要な数 | 推奨数 |
| 画像(横長 1.91:1) | 1枚 | 20枚 |
| 画像(スクエア 1:1) | 1枚 | 20枚 |
| 画像(縦長 4:5) | 0枚 | 20枚 |
| ロゴ(スクエア 1:1) | 1枚 | 5枚 |
| ロゴ(横長 4:1) | 0枚 | 5枚 |
| 合計画像枚数 | – | 最低7枚(縦長1枚、横長3枚、スクエア3枚) |
| 動画(10秒以上) | 1本 | 5本 |
| 広告見出し | 3個 | 5個以上 |
| 長い広告見出し | 1個 | 5個 |
| 説明文 | 1個 | 4個以上 |
| 短い説明文 | 1個 | 5個 |
動画アセットの多様性
横長(16:9)、縦長(9:16)、スクエア(1:1)の3種類と、15秒・30秒の2つの尺を用意することで、あらゆる配信面に最適化された広告を配信できます
広告表示オプションの活用
サイトリンク、コールアウト、構造化スニペットなどの広告表示オプションを追加することで、広告の情報量が増え、クリック率の向上が期待できます。
P-MAXは配信開始後も継続的な改善が重要です。効果的なPDCAサイクルを紹介します。
| ステップ | アクション | 目的 |
| サイクル1: 比較 | P-MAXと検索キャンペーンの重複する検索カテゴリーを確認 | 新規開始の場合はスキップ可 |
| サイクル2: 検索テーマ適用 | 検索キャンペーンでCVが多い上位20クエリをP-MAXの検索テーマに追加 | 検索面への配信を強化し、ターゲティング精度を向上 |
| サイクル3: パフォーマンスチェック | 2週間パフォーマンスを監視(特に最初の2〜3日間は注意深く確認) | 配信状況の把握と早期の問題発見 |
| サイクル4: KPI調整 | 予算制限が発生していれば予算を増額。 予算に余裕があり、CPAが検索より安ければ目標値を緩和 | 予算制限を解除し、獲得拡大を実現 |
| サイクル5: キーワード追加 | P-MAXでCVが取れているが検索キャンペーンに未登録の検索語句を、部分一致キーワードとして追加 | 検索キャンペーンの網羅性を高める |
| 繰り返し | このサイクルを定期的に実施 | 継続的な改善 |
P-MAXは自動化が進む一方で、配信の質を担保するための工夫も必要です。
入札単価の調整で優先面を設定
P-MAXの目標CPAを、検索キャンペーン(部分一致テールワード)の目標CPA水準に設定することで、CPCが低いディスプレイ面への配信を抑制し、質の高い検索面への配信を優先できます。
ただし、目標値を絞りすぎると逆にディスプレイネットワークへの配信が増えるリスクがあるため、注意が必要です。
その他の対策
「動画が重要なのはわかるけど、制作が難しい…」という方も多いでしょう。そんな時に役立つのが、Googleが提供するVideo Builderです。
Video Builderは、既存の画像やテキストを組み合わせて、簡単に動画広告を作成できる無料ツールです。
専門的な動画編集スキルがなくても、YouTube広告で使える動画を作成できます。
| ステップ | アクション | 詳細 |
| 1.レイアウト選択 | Google広告の管理画面のアセットライブラリから動画レイアウトを選択 | YouTubeのクリエイティブベストプラクティス(ABCD)に基づいたレイアウトが用意されています |
| 2.カスタマイズ | 既存のアセットを使って動画をカスタマイズ | ブランドカラー、ロゴ、画像、メッセージ、フォント、音楽を選択できます。 特に画像とメッセージの選択が重要です |
| 3.保存と開始 | 動画を保存し、YouTubeにアップロード | P-MAXをはじめ、Googleの各種動画キャンペーンですぐに使用できます |
このツールで作成した動画は、P-MAX、TrueView、YouTube Shortsなど、Googleのすべての動画配信面で利用可能です。
P-MAXキャンペーンは、GoogleのAI技術を活用し、あらゆる配信面で自動最適化を行う新世代の広告手法です。
P-MAXの主な特徴
成功のポイント
P-MAXは配信開始後の調整が少なく、運用負荷を軽減しながら成果拡大が期待できます。既存の検索キャンペーンと組み合わせることで、さらなる獲得増加と将来的な成長を実現できるでしょう。
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