トップ Google広告「デマンドジェネレーション」とは?SNS層の攻略法

Google広告「デマンドジェネレーション」とは?SNS層の攻略法

検索広告のCPA高騰にお悩みの方へ。
Google広告「デマンドジェネレーション(Demand Gen)」とは?

YouTubeショート等のSNS面を活用し、“検索しない層”を獲得する手法を解説。

P-MAXとの違いやクリエイティブのコツまで網羅しました。

はじめに

「若年層への認知を広げたいが、InstagramやTikTokのアカウントを今から育てるリソースがない」
「SNS広告を出してみたいが、クリエイティブの摩耗が早すぎて運用体制が追いつかない」

Web広告運用の現場では、こうした悩みをよく耳にします。
検索連動型広告(リスティング広告)のCPAが高騰し続ける2026年現在、顕在層の奪い合いだけでは限界がきていることは、多くの運用者が痛感しているはずです。

そこで今、「検索広告の管理画面から配信できる、Google版のSNS広告」として再注目されているのが、デマンドジェネレーションキャンペーン(Demand Gen)です。


30秒でわかる!Demand Gen,P-MAX,SNS広告の違い

まずは、複雑になりがちな各媒体の立ち位置を整理しましょう。
デマンドジェネレーション(Demand Gen)は、P-MAXとSNS広告の「いいとこ取り」をしたような特性を持っています。

特徴Demand GenP-MAXMeta/TikTok広告
主な役割需要喚起(認知~比較)刈り取り(獲得)需要喚起
配信面YouTube(ショート等),Discover,GmailGoogle全配信面(検索含む)各SNSのフィード
ターゲティング類似ユーザー/検索語句AI自動(ブラックボックス)興味関心/行動データ
クリエイティブ動画・画像ごとに分析可分析困難詳細分析可
おすすめな企業検索広告のCPAが高騰しているGoogle広告の初手SNS運用体制がある

このように、Demand Genは「検索広告の管理画面」から配信できながら、役割としては「ユーザーの日常に入り込み、欲求を喚起する(需要を作る)SNS広告」に近い動きをします。


なぜ今、「デマンドジェネレーション」なのか?

現代のユーザー行動は「ググる(検索)」から、SNSやフィードを流し見する「タグる・受動的に眺める」スタイルへ大きくシフトしました。

リスティング広告が「ユーザーが来るのを待つ広告」だとすれば、Demand Genは「ユーザーに発見させる攻めの広告」です。

これを新たな媒体契約やタグ設置の手間なく、既存のGoogle広告アカウントからすぐに開始できる点が最大の強みです。

配信面はほぼSNS。「YouTubeショート」という巨大市場

Demand Genの主戦場は、圧倒的なユーザー数を誇る「YouTubeショート」です。
TikTokやInstagram Reelsと同様、縦型全画面動画が次々と再生されるこの場所はユーザーの没入感が非常に高く、広告であっても「コンテンツの一部」として受け入れられやすい特徴があります。

Meta・TikTok広告との決定的な違いは「検索データ」

「それならSNS広告でいいのでは?」と思われるかもしれませんが、Googleには他社には真似できない強力な武器があります。
それが「検索インテント(意図)データ」です。

Demand Genは「ユーザーが直近でGoogle検索したキーワード」に基づいて配信できます。

  • SNS広告:
    「人事・労務」に興味がある人に配信
  • Demand Gen:
    Googleで「勤怠管理システム 比較」と検索したことがある人が、YouTubeショートを見ている瞬間に配信

この違いは決定的です。
「検索行動」という強い購入意図を持ったユーザーに対し、動画という「リッチな表現」でアプローチできるため、従来のSNS広告よりもCVに近い層を狙い撃ちすることが可能です。

BtoB最強の機能「競合URLターゲティング」

特にBtoBマーケティングにおいて、デマンドジェネレーションが最強と言われる理由の一つが、このGoogle独自の検索データを活用した「カスタムセグメント(競合URL指定)」です。

これは、管理画面で「競合他社のサービスサイト(トップページや料金ページ)」のURLを入力するだけで、「その競合サイト、または類似するサイトに関心を持っているユーザー」をGoogleが自動で定義し、広告を配信できる機能です。

検索広告(リスティング)で競合他社名に入札するとクリック単価が数千円に高騰しがちですが、デマンドジェネレーションであれば数十分の一の安価な単価で競合比較中のホットなユーザーを狙い撃ちすることが可能です。

「指名検索は高いが、競合に関心がある層は逃したくない」という企業にとって、これ以上の解決策はありません。


P-MAXとは何が違う?「AI任せ」にしないコントロール性

現在、Google広告の主流はAIにお任せの「P-MAX(パフォーマンス最大化)」キャンペーンです。

参考記事:P-MAXの具体的な設定方法やコツについては、こちらの記事も併せてご覧ください。
[内部リンク:P-MAXアセット戦略:AIが高評価する画像・動画・テキストの黄金比率と必須アセット]

P-MAXもYouTubeやDiscoverに配信されますが、Demand GenにはP-MAXにはない「運用者の意思を反映できる機能」が残されています。

クリエイティブごとの数値が見える・評価できる

P-MAXの最大の弱点は、どの画像や動画が成果に繋がったかが見えにくい「ブラックボックス化」にあります。
一方、Demand Genはクリエイティブごとの数値レポートが詳細に確認できます。

「Aの動画は視聴率はいいがCVしない」
「Bの静止画はクリック率が高い」
といった分析が可能なため、PDCAを回してクリエイティブを改善したい運用担当者にとって、非常に納得感のある運用が可能です。

待望の「類似ユーザー(Lookalike)」機能が使える

ベテラン運用者にとって最も嬉しいのが、「類似セグメント(Lookalike)」の活用でしょう。
プライバシー保護の観点から他キャンペーンでは廃止傾向にある「類似ユーザー配信」ですが、Demand Genではこの機能が実装されています。

「自社の過去のコンバージョンユーザー」や「優良顧客リスト」をアップロードし、「それに近い行動特性を持つユーザー」をGoogleのAIに探させることができます。

P-MAXが「AIによる全自動拡張」なら、Demand Genは「1点に集中した精度の高い拡張」が可能です。


「映え」よりも「馴染む」。Demand Genで勝つクリエイティブの法則

Demand Genを始める際、多くの企業が「動画素材がない」「プロに依頼する予算がない」と足踏みします。しかし、その懸念は不要です。

プロ品質は不要。スマホ撮影の「UGC風」が勝つ理由

YouTubeショートなどのフィード面において、テレビCMのような「作り込まれた高画質な映像」はかえって「広告だ」と敬遠され、一瞬でスキップされる傾向にあります。

成果が出ているのは、スマホで撮影したような「UGC(User Generated Content:一般投稿)風」の動画です。

  • 社員がスマホでサービスの実際の画面を操作している様子
  • オフィスのデスクで、悩みを代弁している自撮り風動画
  • テロップや装飾も、TikTokやInstagramの標準機能風のデザイン

これなら、社内のリソースだけで十分に制作可能です。
「綺麗さ」よりも、フィードに馴染む「リアルさ(Authenticity)」が重視されるのです。

静止画カルーセルで「カタログ」のように見せる

どうしても動画が用意できない場合は、「画像カルーセル」が有効です。
複数の画像を横にスワイプできる形式で、Instagramのフィード投稿のように見せることができます。

1枚目:課題提起(「〇〇でお悩みではありませんか?」)

2枚目:解決策(サービス紹介)

3枚目:事例(導入効果)

4枚目:オファー(今なら資料ダウンロード)

このように、紙芝居形式でストーリーを伝えることで、動画に近い情報量を届けることができます。これなら既存のバナーや営業資料の切り抜きでもすぐに開始できます。


失敗しない導入ステップと初期設定のコツ

最後に、明日からDemand Genを開始するための失敗しないステップをご紹介します。

予算配分は「全体の10〜15%」からテストする

検索広告やP-MAXがメインの獲得源である場合、いきなり予算を大きく移すのはリスクがあります。
まずは広告予算全体の10〜15%程度をDemand Genに割り当て、「検索の補完」としての役割をテストしましょう。

入札戦略は「コンバージョン数の最大化」が基本

Demand GenはAIによる機械学習がエンジンのため、「コンバージョン数の最大化」での運用を推奨します。

もしCVデータが月に数件しかない場合は、「サイト滞在」や「特定のボタンクリック」などをマイクロコンバージョンとして設定し、週に30〜50件程度の転換データが発生する環境を作るとAIの学習が安定しやすくなります。


まとめ:検索の「外」へ踏み出し、CPA高騰を打開しよう

「検索広告だけでは、これ以上数字が伸びない」 そう感じているなら、戦場を変えるタイミングです。

デマンドジェネレーションキャンペーンはGoogleの正確なデータ資産を使いながら、SNSのような発見型のアプローチができる現時点で最も理にかなった「攻め」の手法です。

「動画を作るのが難しそう」
「設定が複雑そう」
と二の足を踏んでいる競合他社が多い今こそ、先行者利益を得るチャンスです。

まずはスマホで撮った簡単な動画や、手持ちの画像を組み合わせて、検索の「外」にいる見込み客へアプローチを開始してみてはいかがでしょうか。

脳汁くんのマーケ研究所編集部