【業界研究】広告代理店が明かす、広告業界の「リアル」と「将来性」
「センスよりロジック」が求められる広告業界のリアルとは?
専門広告代理店の仕組み、主要3職種(営業・運用・クリエイティブ)の仕事内容、そしてAI時代の働き方を徹底解説。
華やかなイメージとのギャップを埋め、ミスマッチを防ぐための業界研究ガイドです。
はじめに
「広告業界」と聞いて、どんなイメージを持ちますか? テレビCMの華やかな撮影現場? おしゃれなオフィスでクリエイティブな会議?
もちろんそういった側面もありますが、入社後にギャップを感じないように、広告業界の中でも特に専門広告代理店とされる業界について解説します。
広告業界とは何か?
広告業界とは、企業や団体が自社の商品・サービス、ブランド、またはメッセージなどを、消費者や社会に効果的に「伝える」活動を専門的に担う業界全体を指します。
その活動は多岐にわたり、単に広告枠を買い付けてクリエイティブを制作するだけでなく、市場調査、戦略立案、メディア選定、効果測定、そして近年ではデジタル技術を活用したコミュニケーション全般へと広がっています。
広告業界は、企業と消費者を繋ぎ、経済活動を活性化させる社会のエンジンのような役割を果たしています。
業界を構成する主要な要素
広告業界は、主に3つの主要な要素によって成り立っています。
広告主
定義:
広告費用を支払い、広告活動を通じて自社の商品やサービスを宣伝したい企業や団体です。
役割:
広告活動の目的と予算を決定し、広告会社に対して企画・制作・実施を依頼します。
広告会社
定義:
広告主から依頼を受け、広告活動の企画、戦略立案、制作、メディアの買い付け、実施管理、効果測定までを一貫して行う企業です。
種類:
総合広告会社、専門広告会社など。
媒体社
定義:
広告を掲載・放送・掲示する場を提供する企業やプラットフォームです。
種類と特徴:
マスメディア(テレビ、新聞など)、デジタルメディア(Web、SNSなど)、OOH(屋外広告、交通広告)など。

広告会社の機能とクリエイティブの役割
広告会社の主な機能部門
広告主のニーズに応えるために、様々な専門機能を部門として持っています。
営業・アカウント部門
役割:
広告主の窓口となり、ニーズや課題をヒアリングし、社内の各部門と連携してプロジェクト全体を推進・管理します。
プロジェクトの司令塔です。
マーケティング・戦略部門
役割:
市場調査、消費者分析、競合分析を行い、広告活動の目標設定や基本戦略(ターゲット、メッセージ、メディア戦略など)を立案します。
クリエイティブ部門
役割:
広告の「中身」を具体的に制作する部門です。コピーライター、アートディレクター/デザイナー、CMプランナーなどが連携します。
メディア部門
役割:
策定されたメディア戦略に基づき、予算内で最も効果的にターゲットにリーチできるよう、媒体社から広告枠を買い付けます(メディアプランニングとバイイング)。
デジタル・テクノロジー部門
役割:
データ分析、Webサイト制作、プログラマティック広告、SNS運用など、デジタル領域の戦略立案と実行を担います。

広告業界の「誤解」を解く
就活生や広告業界に関わりがない方が抱きがちなイメージと、実際の業務の違いについてお話しします。
誤解①:「センス」がないとできない?
→いいえ、「ロジック(論理)」が9割です。
「なんとなくカッコいいから」という理由だけで広告を作ることはありません。
「誰に、いつ、何を伝えれば、クライアントの事業成長に貢献できるか」を徹底的に計算し、数字で証明するのが私たちの仕事です。
感覚的なセンスよりも「仮説思考」が求められます。
誤解②:テレビCMを作る仕事?
→今や主戦場は「スマホの中」です。
日本の広告費において、インターネット広告はテレビなどのマスコミ4媒体を抜き去り、No.1になりました。
皆さんが普段見ているYouTubeの動画広告や、SNSのフィードに流れる広告こそが、今のビジネス最前線です。
なぜ「広告代理店」が存在するのか?
「メーカーが直接メディアに広告を出せばいいのでは? 代理店は単なる仲介役では?」 鋭い視点を持つ方なら、そう疑問に思うかもしれません。
かつては「枠(テレビの放送枠など)」を買い付ける機能が中心でしたが、現在は「ビジネスの加速装置」へと役割が進化しています。
- 翻訳機能:
クライアントの「商品を広めたい」という熱意を、消費者に響く「言葉や体験」に変換する。 - 運用技術:
GoogleやMetaなどの高度なアルゴリズムを解析し、広告効果を最大化する。 - リスク管理:
関連法規(薬機法や景表法)を遵守し、ブランドを守りながら攻める。
AIが進化し、誰でも広告が出せる時代だからこそ、「結果(売上)に責任を持ち、並走してくれるパートナー」が必要とされているのです。

「君に向いている仕事」はどこだ? 主要3職種
広告業界の仕事は大きく3つに分かれます。自分の適性がどこにあるか想像してみてください。
アカウントプランナー(営業)
〜クライアントの課題を解決する「指揮官」〜
単に広告枠を案内するのではなく、クライアントの経営課題をヒアリングし、「Web広告で解決するシナリオ」を描きます。
社内の運用者やクリエイターをまとめるプロジェクトマネージャーでもあります。
- 向いている人:
傾聴力がある、リーダーシップがある、チームワークを大切にできる。
広告運用コンサルタント
〜数字から心理を読む「データサイエンティスト」〜
GoogleやSNSの管理画面を操作し、広告を配信・管理します。
「数値が変動した原因は何か?」「次にどんな手を打つべきか?」など、膨大なデータからユーザー心理を読み解き、改善を繰り返します。
- 向いている人:
数字や分析が好き、論理的に物事を考えられる、地道な改善(PDCA)を楽しめる。
クリエイティブディレクター / デザイナー
〜心を動かす表現を作る「戦略家」〜
「どんな言葉ならクリックしたくなるか」「どんな動画なら最後まで見てもらえるか」を考え、形にします。
単なるアート作品ではなく、人の行動を促すための「機能するクリエイティブ」を作ります。
- 向いている人:
人間観察が好き、言葉選びにこだわる、トレンドの変化に敏感。
広告業界の課題と未来展望
広告業界の課題
プライバシー規制の強化:
個人情報保護の意識の高まりや、クッキー(Cookie)利用の制限などにより、ターゲティングのためのデータ活用が難しくなっています。
つまり先ほど述べたweb広告によるクライアントの課題解決がより別のものに置き換わって行きつつあるということです。

未来展望:AIと共存する働き方
「AIで広告の仕事はどう変わる?」という質問への答えは、「よりクリエイティブで本質的な仕事に集中できるようになる」です。
AIに任せる領域(効率化)
- データの集計やレポート作成
- 単純なパターンの画像生成
- 入稿設定などの定型業務
人間が担う領域(付加価値)
- 「問い」を立てる力:
「そもそも、なぜこの商品を売るのか?」という根本的な戦略設計。 - 「感情」を理解する力:
AIには読み取れない、人間の奥底にある言葉にできない本音(インサイト)を見抜くこと。 - 意思決定する力:
複数の選択肢の中から、責任を持って最適な決断を下すこと。
これからの広告業界で活躍するのは、AIを脅威に感じる人ではなく、「AIをパートナーとして使いこなし、戦略や企画に時間を注げる人」です。
こんな人と一緒に働きたい
最後に、私たちが求める人物像についてお伝えします。ミスマッチを防ぐためにも、ご自身の志向と照らし合わせてみてください。
活躍できるタイプ(Welcome!)
- 「探究心」が強い人:
ひとつのことに没頭し、徹底的に調べ上げることが苦にならない人は、この業界で最強の武器を持っています。 - 「想像力」が豊かな人:
画面の向こうにいるユーザーが、今どんな気持ちでスマホを見ているか? をリアルに想像し、寄り添える人。
少し苦労するかもしれないタイプ
- 「正解」を与えてほしい人:
広告に絶対の正解はありません。
昨日の成功事例が明日も通じるとは限らない世界です。
自ら仮説を立てて検証する姿勢が必要です。 - 変化を好まない人:
テクノロジーは毎月進化します。
新しい情報をキャッチアップし続けることが負担になる場合は、厳しさを感じるかもしれません。
広告業界は決して楽な世界ではありません。
しかし、自分の仕掛けた戦略で世の中が動き、クライアントのビジネスが成長していく過程を一番近くで見られる面白さは、他の業界では味わえない醍醐味です。
変化を楽しみ、自ら正解を創り出していきたいあなたを、私たちは待っています。
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