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【初心者向け】P-MAXキャンペーンとは?仕組み・設定方法・運用のコツを徹底解説

AI活用の重要性が高まる中、Google広告の「P-MAXキャンペーン」は多くの広告主から注目を集めています。
本記事では、P-MAXの基本的な仕組みから効果的な設定・運用のコツまでを、初心者にもわかりやすく解説し、成果を最大化するためのポイントを紹介します。

セクション 1: P-MAXとは?その概要と主要なメリット

P-MAXキャンペーンの定義

P-MAX(Performance Max)キャンペーンは、GoogleのAI技術を活用した次世代型の広告配信手法です。

最大の特徴は、Google広告のあらゆる配信面(検索、YouTube、ディスプレイ、Gmail、マップなど)を横断して、機械学習により自動で最適な広告配信を行う点にあります。

従来は配信面ごとに個別のキャンペーンを作成する必要がありましたが、P-MAXでは1つのキャンペーンで全ての配信面をカバーできます。

P-MAX導入の主なメリット

P-MAXを導入することで、このようなメリットが期待できます。

メリットの
カテゴリー
詳細
費用対効果の最大化機械学習がコンバージョンにつながりやすいオークションを自動で判別し、ROI向上を実現します。
限られた予算を最も効果的な配信に集中させることができます。
リーチの拡大Google広告ネットワーク全体に自動で配信されるため、1つのキャンペーンで幅広いユーザーにリーチできます。
これまで見逃していた潜在顧客との接点が増え、獲得機会の拡大につながります。
作業効率の
改善
複数の配信面を一元管理できるため、キャンペーン設定や日々の運用にかかる工数を大幅に削減できます。
空いた時間を戦略立案など、より付加価値の高い業務に充てられます。
AIと自動化の活用消費者のトレンドや行動パターンの変化に、AIが自動で対応します。
実際に、P-MAXを導入した広告主は平均20%のコンバージョン増加を実現しています。

対応するマーケティング目標

P-MAXキャンペーンは、主要なマーケティング目標に対応しています。

・オフライン セールス: 実店舗への来店促進

・オンライン セールス: ECサイトでの商品購入促進

・見込み顧客獲得: 資料請求やお問い合わせの獲得


セクション 2: P-MAXの強力な効果と活用方法

既存施策との相乗効果

P-MAXは、既存の検索広告を置き換えるものではなく、併用することで相乗効果を発揮します。

実際のデータでは、検索広告にP-MAXを追加することで、ROIを維持したまま平均18%のコンバージョン増加を達成しています。

また、同じ予算内であれば、P-MAX追加により18%以上のコンバージョン増加が見込めます。

検索キャンペーンとの関係性

P-MAXは検索キャンペーンの「補完役」として機能します。

キーワードターゲティングの穴を埋める
検索キャンペーンでは部分一致キーワードを使っても、すべての検索意図をカバーすることは困難です。

P-MAXは、広告主のウェブサイトやクリエイティブの内容から自動で関連性の高い検索クエリを判断し、検索キャンペーンで拾いきれなかった検索語句にも広告を配信します。

検索以外の接点を最大化
現代の消費者は、商品やサービスを知ってから購入に至るまで、複数の接点を経由します。

YouTubeで動画を見て興味を持ち、後日検索して購入するケースも珍しくありません。

P-MAXは検索面以外でもユーザーとの接点を作り、コンバージョンのきっかけを増やします。

検索カテゴリーの比較(P-MAXと検索)

P-MAXの検索カテゴリーと、従来の検索キャンペーンの検索カテゴリーでは、CV数が多い順でTop 10を比較すると明らかな差が出ることが確認されています。

P-MAXは、検索キャンペーンだけでは捉えきれない、独自のユーザー層やニーズにリーチしていることが分かります。
実際のデータをまとめました(金融業界)。

P-MAXの検索カテゴリー例検索キャンペーンの検索カテゴリー例
19歳 お金 借りる 即日
18歳 から 借り れる 金融
審査がどこも通らないが貸してくれるローン会社
外国人 留学生 お金 借りる
18歳 借金
どうしても 10 万円 必要
19歳 お金 借り たい
総量規制オーバーでも借りれたキャッシング
キャッシング プラザ 審査
どこも通らない
即日 融資
お金 借りれない 助けて キャッシング プラザ
今 すぐ お金 が 必要
お金 借りる 審査 通らない
借入 審査 通らない
お金 借りる アプリ
今 すぐ 10 万 稼ぐ 方法
後払い アプリ

このように、P-MAXは検索キャンペーンだけではリーチできない、独自のユーザー層を獲得していることがわかります。


セクション 3: P-MAXの主な特徴と新機能

P-MAXには、AIの学習を促進し、配信精度を高めるための機能が搭載されています。

検索テーマ(Search Themes)

検索テーマは、検索面での配信を強化するための機能です。

役割
AIは広告主のウェブサイトやクリエイティブから自動で関連性の高い検索語句を判断しますが、検索テーマを設定することで、広告主側からも「こういう検索語句で配信してほしい」という意図を伝えられます。

設定方法
アセットグループごとに最大50個の検索テーマを設定できます。

効果
関連性の高い検索語句での配信機会が増え、コンバージョン増加につながります。

設定のコツ

  • 季節性のあるテーマは「クリスマスのデコレーション」のように具体的に記載
  • 「最高」「最安」などの一般的な表現は不要(AIが自動で認識済み)

オーディエンスシグナル(Audience Signals)

オーディエンスシグナルは、「こういう属性のユーザーがコンバージョンしやすい」という情報をAIに伝える機能です。

推奨設定
最も効果的なのは、以下の2種類のオーディエンスです。

  • 自社リスト:
    リマーケティングリスト、カスタマーマッチリスト

  • カスタムオーディエンス:
    特定の興味関心や検索行動を持つユーザー

これらは広告主独自の知見をAIに伝えられるため、ターゲティング精度の向上や学習期間の短縮に効果的です。

最終URL拡張機能(Final URL Expansion)

ユーザーを最適なランディングページへ自動で誘導する機能です。

項目URL拡張ONURL拡張OFF
リンク先設定したURLのドメイン全体が対象(除外設定可能)設定したURLのみ
広告見出し/説明文自動生成される設定したもののみ表示
キーワード自動生成される自動生成される

URL拡張をONにすることで、ユーザーの検索意図に最も合致するページへ誘導できるため、コンバージョン率の向上が期待できます。


セクション4: 導入のためのベストプラクティス

P-MAX導入時の設定と、配信開始後の変更を最小限にするための推奨事項を紹介します。

キャンペーン設定のベストプラクティス

キャンペーンで最大の成果を得るための推奨手法のことを「ベストプラクティス」と言います。
P-MAXを導入した際にはこれらの項目を徹底してみましょう。

項目推奨される設定
検証期間最低4週間は配信を継続。
既存の検索キャンペーンは停止せず、予算を追加する形で実施
目標設定検索キャンペーンのテールワード(部分一致)の目標CPA・ROASを目安に設定
アセットテキスト・画像・動画すべてを設定。可能な限り上限数まで登録
シグナル検索テーマ(必須)とオーディエンスシグナルを必ず追加
除外キーワード最小限にとどめる(過度な除外はAIの学習を妨げる)
予算日予算は検索キャンペーンのCPAの10倍、最低でも5倍以上を確保
配信開始後の変更日予算や入札単価の変更は極力避ける(AIの学習がリセットされる)

クリエイティブ(アセット)の質を高める

P-MAXのパフォーマンスは、クリエイティブの質に大きく左右されます。「広告の有効性」スコアを確認し、評価が低い場合はアセットを追加・改善しましょう。

推奨アセット数

アセットの種類最低限必要な数推奨数
画像(横長 1.91:1)1枚20枚
画像(スクエア 1:1)1枚20枚
画像(縦長 4:5)0枚20枚
ロゴ(スクエア 1:1)1枚5枚
ロゴ(横長 4:1)0枚5枚
合計画像枚数最低7枚(縦長1枚、横長3枚、スクエア3枚)
動画(10秒以上)1本5本
広告見出し3個5個以上
長い広告見出し1個5個
説明文1個4個以上
短い説明文1個5個

動画アセットの多様性

横長(16:9)、縦長(9:16)、スクエア(1:1)の3種類と、15秒・30秒の2つの尺を用意することで、あらゆる配信面に最適化された広告を配信できます

広告表示オプションの活用

サイトリンク、コールアウト、構造化スニペットなどの広告表示オプションを追加することで、広告の情報量が増え、クリック率の向上が期待できます。


セクション5: 成果を最大化するためのPDCAサイクル

P-MAXは配信開始後も継続的な改善が重要です。効果的なPDCAサイクルを紹介します。

パフォーマンス最大化のためのPDCAサイクル

ステップアクション目的
サイクル1:
比較
P-MAXと検索キャンペーンの重複する検索カテゴリーを確認新規開始の場合はスキップ可
サイクル2:
検索テーマ適用
検索キャンペーンでCVが多い上位20クエリをP-MAXの検索テーマに追加検索面への配信を強化し、ターゲティング精度を向上
サイクル3:
パフォーマンスチェック
2週間パフォーマンスを監視(特に最初の2〜3日間は注意深く確認)配信状況の把握と早期の問題発見
サイクル4:
KPI調整
予算制限が発生していれば予算を増額。
予算に余裕があり、CPAが検索より安ければ目標値を緩和
予算制限を解除し、獲得拡大を実現
サイクル5:
キーワード追加
P-MAXでCVが取れているが検索キャンペーンに未登録の検索語句を、部分一致キーワードとして追加検索キャンペーンの網羅性を高める
繰り返しこのサイクルを定期的に実施継続的な改善

リスク回避(配信面のコントロール)

P-MAXは自動化が進む一方で、配信の質を担保するための工夫も必要です。

入札単価の調整で優先面を設定
P-MAXの目標CPAを、検索キャンペーン(部分一致テールワード)の目標CPA水準に設定することで、CPCが低いディスプレイ面への配信を抑制し、質の高い検索面への配信を優先できます。

ただし、目標値を絞りすぎると逆にディスプレイネットワークへの配信が増えるリスクがあるため、注意が必要です。

その他の対策

  • 検索テーマの活用:
    検索キャンペーンでCVがある語句を検索テーマに登録し、検索面への配信を優先

  • プレースメント除外:
    低品質な掲載先を個別に除外設定

  • 動画の活用:
    動画アセットを入稿することで、動画面への配信を増やし、相対的にディスプレイ面の配信を減らす

  • ページフィード機能:
    指名キーワードに対して特定のランディングページを指定し、ブランディングを保護

セクション6: 動画制作のサポート(Video Builder)

「動画が重要なのはわかるけど、制作が難しい…」という方も多いでしょう。そんな時に役立つのが、Googleが提供するVideo Builderです。

Video Builderとは

Video Builderは、既存の画像やテキストを組み合わせて、簡単に動画広告を作成できる無料ツールです。
専門的な動画編集スキルがなくても、YouTube広告で使える動画を作成できます。

動画制作の3ステップ

ステップアクション詳細
1.レイアウト選択Google広告の管理画面のアセットライブラリから動画レイアウトを選択YouTubeのクリエイティブベストプラクティス(ABCD)に基づいたレイアウトが用意されています
2.カスタマイズ既存のアセットを使って動画をカスタマイズブランドカラー、ロゴ、画像、メッセージ、フォント、音楽を選択できます。
特に画像とメッセージの選択が重要です
3.保存と開始動画を保存し、YouTubeにアップロードP-MAXをはじめ、Googleの各種動画キャンペーンですぐに使用できます

このツールで作成した動画は、P-MAX、TrueView、YouTube Shortsなど、Googleのすべての動画配信面で利用可能です。


まとめ

P-MAXキャンペーンは、GoogleのAI技術を活用し、あらゆる配信面で自動最適化を行う新世代の広告手法です。

P-MAXの主な特徴

  • Google広告の全配信面を1キャンペーンでカバー
  • 機械学習により費用対効果を最大化
  • 既存の検索キャンペーンと併用することで平均18%のCV増加

成功のポイント

  • 検索テーマとオーディエンスシグナルを活用し、AIの学習を促進
  • 質の高いクリエイティブを最大数まで登録
  • 最低4週間は配信を継続し、設定変更は最小限に
  • 継続的なPDCAサイクルで改善を重ねる

P-MAXは配信開始後の調整が少なく、運用負荷を軽減しながら成果拡大が期待できます。既存の検索キャンペーンと組み合わせることで、さらなる獲得増加と将来的な成長を実現できるでしょう。


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M.S|Webコンサルティング
新卒でSEMエージェンシーに入社。
広告運用をしながら、数字の分析、改善案の立案を担当。
業務を通じて得た知識やWebマーケティングの基礎知識に関する情報を発信しています。